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相続土地国庫帰属制度についての雑感

2023年08月08日

〇令和5年4月27日からスタートした相続土地国庫帰属制度とは
令和6年4月1日から施行される相続登記義務化( =相続登記をしなければ過料が科される可能性がある)に先立ち、相続によって取得した土地を国が引き取ってくれる制度である「相続土地国庫帰属制度」が令和5年4月27日からスタートしました。
まだ当事務所ではこの制度の申請に関する依頼を受けたことはないのですが、実際に本制度を使うときの注意などについて、雑感を書きたいと思います。

〇本制度が利用できない土地について。
これが結構たくさんあるなぁという印象ですが、まず、建物が存在していてはダメということです。
建物を壊して更地しなければならないのですね。
またさらに、現在道路として使用されている土地、墓地、境内地、水道用地、用悪水路、ため池、崖がある土地、果樹園の樹木がある土地、定期的な伐採を行う必要がある樹木・竹がある土地、廃屋・放置車両がある土地などもダメみたいです。
さらにさらに、有体物が地下に存在する土地や隣地所有者と訴訟の必要がある土地、管理処分に過分の費用又は労力を要する土地なども不承認要件となっています。

〇制度利用に係るお金について。
審査手数料も結構高いです。土地一筆につき14,000円かかります。

〇負担金について
家を壊したり、放置された車を撤去したり、さまざまな要件をクリアして、やっと国に受け取ってもらえるとおもったらさらに国からは「負担金」が必要と言われます。
宅地・農地・森林・その他という地目によってその金額は変わりますが、原則は土地一筆につき20万円~となっているようです。
いかがだったでしょうか。実際に法務局や市役所・農林局に相談にいったお客様から聞いた話しによると、どの役場も国庫帰属に対して消極的な感じだったということです。

本制度、うまく活用できるようになればよいのですが…

佐々木英司法書士事務所
司法書士 佐々木英

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