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「〇〇のスペシャリスト」はNG?~弁護士の業務広告

〇 「何が専門ですか?」
お尋ねする方は、特に意識されていないと思いますが、ときどき、このような質問をお受けして困惑することがあります。
実は、弁護士は、業務広告に関し、いわゆる「景表法」の規制以外にも、弁護士会独自の業務広告に関する規程や指針を設けることで「自主規制」を行っています。
その中で、「表示を控えるのが望ましい」表示として、「専門分野」、「スペシャリスト」、「プロ」等の用語が挙げられています。
理由は単純。
弁護士会では、各弁護士の取扱業務等について「専門性」を客観的に担保するものがない、平たく言えば、「専門」「スペシャリスト」などはいずれも「自称」に過ぎないからです。
そこで、冒頭のような質問をお受けした場合、慎重な弁護士であればさり気なく「〇〇は得意(主観的評価)です。」「〇〇を積極的に取り扱っています。」などと言い換えて回答しているのではないでしょうか。
〇 では、「〇〇に強い」はNG?
同じようなお尋ねに、「どの分野に強いですか。」というものがあります。
こちらは非常に微妙です。
ある分野に自分は強い「と思っている。」という意味であれば、「得意」と同じように主観の問題となります。
他方、質問した方が、回答した弁護士について、当該分野について「強い(他の弁護士よりも優位) 」と判断する可能性は否定できません。
しかし、「強い」「弱い」という評価は相対的なもので、本人が「強い」と言ったとしても、弁護士会がその評価を客観的に担保する者ではありません。
そうすると、「〇〇に強い」という表示広告を行うことは、「誤認のおそれがある」ものとして弁護士会の規程により禁止される、という判断もできそうです。
〇ちなみに…
一時期、「国が認めた借金制度」などの謳い文句を掲げる法律事務所もあったようですが、当該広告は、「誇大または過度な期待を抱かせる広告」として禁止される表示に該当します。
訴訟での「勝訴率」や「業界最低水準の弁護士報酬」なども規制対象となります。
私も、「〇〇が専門です」「〇〇に強いです」などと回答することは控えていますが、これは上記のような事情がある故とご理解いただけると幸甚です
(了)
こたけひまわリ法律事務所
弁護士 小山明輝





