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不動産表題部登記の「申請」と「申し出」

2026年03月03日

不動産登記には「表題部」と「権利部」があり、表題部の登記は土地や建物の物理的状況(所在、地番、地目、面積、構造など)を記録するものです。
この表題部に関する手続きには「登記申請」と「登記の申し出」がありますが、両者は法的性質や目的に違いがあります。
まず「登記申請」とは、法令に基づいて登記義務者が登記所に対して一定の登記を請求する手続きを指します。
たとえば、新しく建物を建てた場合に行う「建物表題登記」や、土地の地目や地積が変わった場合の「地目変更登記」や「地積更正登記」などが該当します。
これらは申請主義と呼ばれる制度に基づき、原則として当事者からの申請がなければ登記されません。
一方で、「登記の申し出」は、表題部に関して登記名義人ではなく利害関係人などが申請ではなく“申し出”という形で情報変更などを伝える行為です。
たとえば、自分が所有する土地の上に存在しない建物が登記されている場合、建物名義人が判明していて協力が得られる場合は、「建物滅失登記」をしてもらうことで処理できますが、所有者が所在不明だと登記が残ったままとなり、土地の売却・担保に使うときに支障をきたします。
そういったときに、利害関係人から登記の申し出を行い、登記所が調査をして建物が存在していないことが確認できれば登記処理されます。
両者の最大の違いは、法的効果と手続きの性質です。
登記申請は、表題部登記の新設や内容変更など、法律上の効力を伴う処理を行うものであり、申請者には一定の登記義務がある場合もあります。
一方、申し出はあくまで事実関係の通知や修正を目的としたものであり、登記義務が課されるわけではありません。

西野幸彦土地家屋調査士事務所
土地家屋調査士 西野幸彦

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